2026/10/29
愛猫が糖尿病と診断されると、毎日のインスリン注射に加えて、これからどんなフードを食べさせればいいのか悩む方が多いのではないでしょうか。ネットで調べると「低炭水化物がいい」「高たんぱくがいい」「食物繊維が多いほうがいい」とさまざまな情報があり、どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。
結論からお伝えすると、糖尿病の猫の食事は獣医師が処方する療法食を中心に、かかりつけの先生と相談しながら決めるのが基本です。この記事では、2026年最新の糖尿病向け療法食7選を、たんぱく質・炭水化物(糖質)・食物繊維・カロリーの数値で比較しながら紹介します。あわせて、療法食をどうしても食べないときに獣医師と相談して検討したい総合栄養食、毎日の与え方や費用の目安、おやつの注意点まで、できるだけわかりやすく解説します。
なお、この記事で紹介する療法食は、いずれも獣医師の診断と指導のもとで使うことを前提にしたフードです。フードだけで糖尿病が治るわけではなく、自己判断で始めたり切り替えたりすると血糖値が大きく乱れることがあります。フード選びの参考にしつつ、最終的な判断は必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
猫が糖尿病と診断されたら最初に知っておきたい食事の基本
猫の糖尿病では、インスリン治療と食事管理がセットで行われるのが一般的です。まずは、なぜ食事がそれほど大切なのか、どんな点に気をつければいいのかという基本を押さえておきましょう。
食事療法の中心は獣医師が処方する療法食
糖尿病の猫の食事療法では、糖尿病の食事管理に合わせて栄養成分が調整された療法食を使うのが基本です。療法食とは、特定の病気や健康状態に対して食事療法として使うことを意図したペットフードのことで、ペットフード公正取引協議会でも、栄養成分の量や比率を調節し、専門的なアドバイスや処方に従って与えることを意図した製品と説明されています。
一般的なキャットフード(総合栄養食)は、健康な猫が毎日食べて栄養バランスがとれるように作られています。一方の療法食は、炭水化物を抑えたり、たんぱく質や食物繊維を増やしたりと、糖尿病の猫の体の状態に合わせて設計されています。同じ「低糖質」をうたうフードでも、療法食と一般食では目的も設計もまったく違うと考えておきましょう。
また、療法食は獣医師が猫の血糖値、体重、併発している病気などを見たうえで選ぶものです。日本獣医師会の報告書でも、療法食は獣医師の指導のもとで給与することを意図したフードとして位置づけられています。ネット通販で買えるものもありますが、どの療法食をどれくらい与えるかは、必ず診察を受けて決めてもらいましょう。
インスリンの量はいま食べているフードに合わせて決まっている
インスリン治療中の猫では、1回に打つインスリンの量が、いま食べているフードの種類と量を前提に決められています。そのため、フードを変えると食後の血糖値の上がり方が変わり、同じ量のインスリンでも効き方が変わってしまうことがあります。
たとえば、炭水化物の多い一般食から低炭水化物の療法食に切り替えると、食後の血糖値の上昇がおだやかになり、それまでのインスリン量では効きすぎて低血糖を起こすおそれがあります。反対に、療法食から自己判断でおやつや一般食を増やすと、血糖値が下がりにくくなることもあります。
フードの切り替えやおやつの追加を考えたときは、必ず事前に獣医師に相談し、必要に応じて血糖値の測定やインスリン量の見直しをしてもらうことが大切です。食事とインスリンはセットで調整するもの、と覚えておきましょう。
糖尿病の猫のフードで見る3つの数値(炭水化物・たんぱく質・食物繊維)
糖尿病の猫のフードを比べるときに注目したいのが、炭水化物・たんぱく質・食物繊維の3つの数値です。パッケージの成分表示(保証分析値)を見ると、たんぱく質・脂質・粗繊維・灰分・水分の割合が書かれています。成分表示の読み方はペットフード公正取引協議会の表示の基礎知識でも解説されています。
炭水化物は多くのフードで直接表示されていませんが、100%から、たんぱく質・脂質・粗繊維・灰分・水分を引くとおおよその量(可溶性無形物、NFEとも呼ばれます)がわかります。保証分析値は以上・以下で書かれているため正確な数値ではありませんが、フード同士を比べる目安にはなります。炭水化物が少ないほど、食後の血糖値は上がりにくいと考えられています。
たんぱく質は、猫の筋肉量を保つために欠かせない栄養素です。糖尿病の猫は筋肉が落ちやすいため、多くの療法食はたんぱく質を高めに設計しています。食物繊維は、糖の吸収をゆるやかにしたり、満腹感を保って体重管理を助けたりする働きが期待されています。低炭水化物・高たんぱくタイプと、高繊維タイプのどちらを選ぶかは獣医師の方針次第なので、数値の意味を知ったうえで先生と相談しましょう。
糖尿病の猫におすすめの療法食ランキング7選
ここからは、2026年10月時点で手に入る糖尿病の猫向け療法食を7つ紹介します。まずは主な数値を一覧で比較してみましょう。炭水化物の目安は、保証分析値から計算したおおよその値です。商品名をタップすると、各商品の詳しい解説に移動できます。
| 商品名 | タイプ | たんぱく質 | 炭水化物の目安 | 粗繊維 | カロリー(100gあたり) | 参考価格(税込) | こんな猫向け |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
![]() ロイヤルカナン 糖コントロール アドバンスト(ドライ) |
ドライ | 45.0%以上 | 約22% | 10.6%以下 | 331kcal | 2kg 6,000円台〜 | 太りぎみで血糖と体重を同時に管理したい猫 |
![]() ヒルズ プリスクリプション・ダイエット 猫用 m/d ドライ |
ドライ | 45.0%以上 | 約19%(乾物量19%) | 5.5%以下 | 395kcal | 2kg 6,500円前後 | 低炭水化物・高たんぱくで管理したい猫 |
![]() アニモンダ インテグラプロテクト 糖尿ケア(ウェット) |
ウェット | 11%(サーモン) | スターチ0.1%・糖類0% | 0.3% | 95kcal | 100g 528円 | ウェット中心で水分も一緒にとりたい猫 |
![]() ロイヤルカナン 糖コントロール アドバンスト(ウェット) |
ウェット(パウチ) | 7.9%以上 | ごく少量 | 2.8%以下 | 61kcal | 85g×12袋 3,100円前後 | 同シリーズのドライと組み合わせたい猫 |
![]() ヒルズ プリスクリプション・ダイエット 猫用 w/d ドライ |
ドライ | 34.9%以上 | 約31% | 10.7%以下 | 317kcal | 2kg 6,500円前後 | 高繊維・低脂肪で体重も管理したい猫 |
![]() アニモンダ インテグラプロテクト 糖尿ケア(ドライ) |
ドライ | 40% | スターチ24%・糖類2% | 2% | 403kcal | 300g 1,375円/1.2kg 3,740円 | 同シリーズのウェットと併用したい猫 |
![]() ベッツソリューション 猫用 糖尿病サポート |
ドライ | 34%以上 | 約27% | 10%以下 | 335kcal | 400g 1,650円/2kg 7,000円台〜 | 高繊維で腎臓にも配慮したい猫 |
※参考価格は2026年10月時点の公式通販・大手通販の販売価格の一例です。販売店や時期によって変わります。療法食は、動物病院の登録や獣医師の確認が購入条件になっているショップもあります。
- 1位 ロイヤルカナン 糖コントロール アドバンスト(ドライ)|肥満と血糖の管理を同時にめざせる新設計
- 2位 ヒルズ プリスクリプション・ダイエット 猫用 m/d ドライ|低炭水化物・高たんぱくで血糖値の管理を助ける
- 3位 アニモンダ インテグラプロテクト 糖尿ケア(ウェット)|穀物不使用の肉中心ウェットで水分もとれる
- 4位 ロイヤルカナン 糖コントロール アドバンスト(ウェット)|ドライと組み合わせやすいパウチタイプ
- 5位 ヒルズ プリスクリプション・ダイエット 猫用 w/d ドライ|食物繊維が多く太りやすい猫の体重管理にも
- 6位 アニモンダ インテグラプロテクト 糖尿ケア(ドライ)|ウェットと同じシリーズで切り替えやすい
- 7位 ベッツソリューション 猫用 糖尿病サポート|高繊維・低リン設計で腎臓にも配慮
1位 ロイヤルカナン 糖コントロール アドバンスト(ドライ)|肥満と血糖の管理を同時にめざせる新設計

| タイプ | ドライ(猫用食事療法食) |
|---|---|
| 内容量 | 500g/2kg/4kg |
| 参考価格(税込) | 500g 2,000円前後/2kg 6,200〜6,600円前後/4kg 10,500〜11,300円前後(通販の一例) |
| 保証分析値 | たんぱく質45.0%以上、脂質7.0%以上、粗繊維10.6%以下、灰分8.7%以下、水分6.5%以下 |
| 炭水化物の目安 | 約22%(保証分析値からの概算) |
| カロリー | 331kcal/100g |
| 主な原材料 | 肉類(鶏、七面鳥)、超高消化性小麦タンパク、植物性繊維、大麦、加水分解タンパク、コーングルテン、タピオカ、サイリウムなど |
| 発売時期 | 2026年7月1日(旧「糖コントロール」猫用の後継品) |
- 減量と血糖維持の両方に配慮した最新設計
- 大麦やサイリウムなど糖の吸収がゆるやかな炭水化物を使用
- 500gから4kgまでサイズを選べ、同シリーズのウェットもある
- 小麦・大麦などの穀物を使っているため、穀物を避けたい猫には不向き
- 通販では動物病院の登録が購入条件になっていることが多い
- カロリーが控えめなので、痩せている猫には量の調整が必要
ロイヤルカナンの糖コントロール アドバンストは、2026年7月1日にドライが発売された、猫用糖コントロールの後継品です。これまでの猫用「糖コントロール」は順次終売となり、肥満を伴う糖尿病の猫の管理で、減量と血糖維持の両方に配慮した食事療法食として新たに設計されました。メーカーの発表では、同社の満腹感サポートと比べて炭水化物を約40%減らし、たんぱく質を約26%増やしているとされています。
保証分析値はたんぱく質45.0%以上・脂質7.0%以上と高たんぱく・低脂肪で、カロリーは100gあたり331kcalと控えめです。粗繊維も10.6%以下と多めに含まれているため、満腹感を保ちながら体重を落としたい猫に向いています。糖尿病の猫は肥満を併発していることが多く、体重が減るとインスリンの効きがよくなることもあるため、太りぎみの猫の最初の選択肢として相談しやすい療法食です。
一方で、痩せぎみの猫や体重を落としたくない猫には、給与量の調整や別の療法食が検討されます。旧「糖コントロール」を食べていた猫は、自動的にアドバンストへ切り替えるのではなく、体型に合わせてどの製品に移るかを動物病院で相談するよう案内されています。
2位 ヒルズ プリスクリプション・ダイエット 猫用 m/d ドライ|低炭水化物・高たんぱくで血糖値の管理を助ける

| タイプ | ドライ(猫用特別療法食) |
|---|---|
| 内容量 | 2kg |
| 参考価格(税込) | 2kg 6,500円前後(通販の一例) |
| 保証分析値 | たんぱく質45.0%以上、脂質17.0%以上、粗繊維5.5%以下、灰分7.0%以下、水分8.0%以下 |
| 炭水化物の目安 | 乾物量分析値で炭水化物(NFE)19% |
| カロリー | 395kcal/100g |
| 主な原材料 | コーングルテン、トリ肉(チキン、ターキー)、エンドウマメ蛋白、小麦、動物性油脂、セルロースなど |
| 原産国 | オランダ |
- 今回の7選のドライで炭水化物がもっとも少ない水準
- 高たんぱくで、L-カルニチンやアルギニンも配合
- 糖尿病の療法食として長く使われてきた定番
- 脂質が17.0%以上と多めで、カロリーも高め
- 内容量は2kgのみで、少量サイズがない
- 小麦やコーングルテンを使っている
ヒルズのm/d(エムディー)は、低炭水化物・高たんぱくの設計で、糖尿病と体重の管理に配慮した特別療法食です。乾物量(水分を除いた量)で見ると、たんぱく質50.7%に対して炭水化物(NFE)は19%と、今回紹介するドライの中でももっとも炭水化物が少ない水準です。食後の血糖値の上がり方を抑えたいときに、獣医師から提案されることの多いフードです。
健康的な脂肪代謝と筋肉量の維持を助けるL-カルニチン、アルギニン、タウリンも配合されています。一方で、脂質は17.0%以上と多めで、カロリーも100gあたり395kcalと高めです。少ない量でもエネルギーをとりやすい反面、太りぎみの猫では与える量をしっかり計る必要があります。
低炭水化物の療法食に切り替えると、インスリンの必要量が変わることがあります。m/dに切り替える際は、獣医師の指示のもとで少しずつ移行し、血糖値の変化を確認してもらいましょう。
3位 アニモンダ インテグラプロテクト 糖尿ケア(ウェット)|穀物不使用の肉中心ウェットで水分もとれる

| タイプ | ウェット(トレイ100g/パウチ85g・猫用療法食) |
|---|---|
| フレーバー | トレイ:七面鳥心臓・サーモン・ウサギ・鶏レバー・鳥・牛/パウチ:鶏・七面鳥 |
| 参考価格(税込) | トレイ100g 528円/パウチ85g 396円(正規販売店ジャーマンペットの価格) |
| 分析値(サーモン100g) | たんぱく質11%、脂質5%、粗繊維0.3%、粗灰分1.6%、水分81%、スターチ0.1%、糖類0% |
| カロリー | サーモン95kcal/100g、パウチ七面鳥84kcal/100g |
| 特徴 | グレインフリー、大豆・砂糖不使用、香料・着色料・保存料不使用、尿pH6.5〜6.8前後に配慮 |
| 原産国 | ドイツ |
- スターチ0.1%・糖類0%と、炭水化物をほとんど含まない
- 水分が約81%あり、食事と一緒に水分もとれる
- フレーバーが8種類あり、飽きやすい猫でもローテーションしやすい
- ウェットだけで1日分をまかなうと費用が高くなる
- 開封後は冷蔵保存が必要で、早めに使い切る必要がある
- メーカー公式サイトは改装中で、購入は正規販売店や通販が中心
アニモンダはドイツのペットフードメーカーで、インテグラプロテクトはその療法食シリーズです。糖尿ケアのウェットは、肉や魚を主原料にした穀物不使用(グレインフリー)のレシピで、スターチ0.1%・糖類0%と炭水化物をほとんど含まないのが大きな特徴です。たんぱく質の含有量を高くし、炭水化物の供給を最低限に抑えることで、食後の血糖値の上昇をゆるやかにするよう設計されています。
水分が約81%と多いため、ドライフードだけでは水を飲む量が足りない猫にも取り入れやすいフードです。糖尿病の猫は多飲多尿になりやすく、水分補給は大切なポイントです。あわせて、ストルバイト結石とシュウ酸カルシウム結石にも配慮した尿pHの設計になっています。家での水の飲ませ方を工夫したい方は、猫のいる家庭向けのウォーターサーバーの選び方も参考にしてみてください。
一方で、ウェットは100gあたり95kcalとカロリーが低いぶん、1日に必要な量が多くなります。メーカーの給与量の目安では、体重4kgで1日200〜265gとされており、ウェットだけで管理すると1日あたり1,000円以上かかることもあります。ドライと組み合わせて使う方法も、獣医師と相談してみましょう。
4位 ロイヤルカナン 糖コントロール アドバンスト(ウェット)|ドライと組み合わせやすいパウチタイプ

| タイプ | ウェット(パウチ・猫用食事療法食) |
|---|---|
| 内容量 | 85g |
| 参考価格(税込) | 85g×12袋 3,100円前後(通販の一例・1袋あたり約260円) |
| 保証分析値 | たんぱく質7.9%以上、脂質0.6%以上、粗繊維2.8%以下、灰分1.5%以下、水分87.0%以下 |
| カロリー | 61kcal/100g(1袋あたり約52kcal) |
| 主な原材料 | 肉類(鶏、豚)、セルロース、豚タンパク、ビートパルプ、サイリウムなど |
| 販売状況 | 発売中(旧「糖コントロール ウェット」猫用の後継品) |
- 同じシリーズのドライと組み合わせやすい
- 1袋あたり約52kcalと低カロリーで、量の調整がしやすい
- 使い切りのパウチで保存の手間が少ない
- カロリーが低く、ウェットだけで1日分をまかなうと袋数が多くなる
- フレーバーの選択肢が少ない
- 購入には動物病院の登録が必要な通販が多い
糖コントロール アドバンストのウェットは、1位のドライと同じ考え方で作られたパウチタイプです。ドライと同じシリーズなので、栄養設計をそろえたまま食感や水分量を変えられるのが魅力です。ドライを食べ飽きてきた猫や、水分摂取を増やしたい猫のトッピングとして使いやすいでしょう。
カロリーは100gあたり61kcal、1袋(85g)で約52kcalと低めです。ウェットを足すときは、ウェットの分だけドライの量を減らし、1日の総カロリーが増えないように調整します。たとえば1日にウェット1袋を足すなら、ドライ(331kcal/100g)を約15g減らすイメージです。
旧「糖コントロール ウェット」から切り替える場合も、ドライと同じく獣医師に相談してから移行しましょう。成分値が変わっているため、血糖値の変化を確認しながら進めるのが安心です。
5位 ヒルズ プリスクリプション・ダイエット 猫用 w/d ドライ|食物繊維が多く太りやすい猫の体重管理にも

| タイプ | ドライ(猫用特別療法食) |
|---|---|
| 内容量 | 500g/2kg/4kg |
| 参考価格(税込) | 2kg 6,500円前後/4kg 11,000円前後(通販の一例) |
| 保証分析値 | たんぱく質34.9%以上、脂質5.6%以上、粗繊維10.7%以下、灰分8.4%以下、水分9.5%以下 |
| 炭水化物の目安 | 約31%(保証分析値からの概算) |
| カロリー | 317kcal/100g |
| 主な原材料 | トリ肉(チキン、ターキー)、トウモロコシ、コーングルテン、セルロース、米など |
| 対象 | 消化・体重・糖尿病の管理 |
- 高繊維・低脂肪で、満腹感を保ちながら体重を管理しやすい
- 317kcal/100gとカロリーが低め
- 500gから4kgまでサイズを選べる
- 炭水化物は低炭水化物タイプの療法食より多め
- トウモロコシや米などの穀物を使っている
- 繊維が多いぶん便の量が増えることがある
ヒルズのw/d(ダブリューディー)は、食物繊維を多く含み、脂肪とカロリーを抑えた高繊維タイプの療法食です。消化・体重・糖尿病の管理に対応しており、食物繊維で糖の吸収をゆるやかにしつつ、満腹感を保って体重をコントロールする考え方で設計されています。
2位のm/dが低炭水化物・高たんぱくのアプローチなのに対し、w/dは高繊維・低脂肪のアプローチです。炭水化物の目安は約31%とm/dより多めですが、脂質は5.6%以上と少なく、カロリーも100gあたり317kcalと低めです。m/dとw/dのどちらが合うかは、猫の体型や血糖値の動き、便の状態などで変わるため、獣医師の判断で選んでもらいましょう。
繊維が多いフードに切り替えると、便の量が増えたり、硬さが変わったりすることがあります。気になる変化があれば、早めに獣医師に伝えるようにしましょう。
6位 アニモンダ インテグラプロテクト 糖尿ケア(ドライ)|ウェットと同じシリーズで切り替えやすい

| タイプ | ドライ(猫用療法食) |
|---|---|
| 内容量 | 300g/1.2kg |
| 参考価格(税込) | 300g 1,375円/1.2kg 3,740円(正規販売店ジャーマンペットの価格) |
| 分析値 | タンパク質40%、脂質15%、粗繊維2%、粗灰分6%、水分6%、スターチ24%、糖類2% |
| カロリー | 403kcal/100g |
| 主な原材料 | 鳥タンパク(乾燥)、コーン、コーングルテン、獣脂ミール、ライス、鳥レバーなど |
| 特徴 | グルテンフリー、大豆・砂糖不使用、着色料不使用 |
| 原産国 | オーストリア |
- 3位のウェットと同じシリーズで、併用や切り替えがしやすい
- 300gの小袋があり、まずは少量で食いつきを試せる
- スターチと糖類の量がはっきり表示されている
- コーンやライスを使っており、ウェットと違ってグレインフリーではない
- 403kcal/100gとカロリーが高めで、肥満の猫は量の管理が必要
- 1世帯あたりの購入数に上限が設けられていることがある
インテグラプロテクト 糖尿ケアのドライは、3位のウェットと同じシリーズのドライフードです。たんぱく質40%と高めで、スターチ24%・糖類2%と炭水化物の量が具体的に表示されているため、ほかのフードと比べやすいのが特徴です。グルテンフリーで、大豆や砂糖は使っていません。
注意したいのは、ウェットがグレインフリーなのに対し、ドライはコーンやライスを原材料に使っている点です。グルテンフリーではありますが、穀物不使用ではありません。また、カロリーは100gあたり403kcalと高めなので、少ない量でもカロリーをとりすぎないよう、計量カップではなくスケールで量ると安心です。
メーカーの推奨使用期間は、初回6か月以内とされています。使用を始める前や、期間を延長するときは獣医師に相談するよう案内されているので、定期的に診察を受けながら使いましょう。
7位 ベッツソリューション 猫用 糖尿病サポート|高繊維・低リン設計で腎臓にも配慮

| タイプ | ドライ(猫用食事療法食) |
|---|---|
| 内容量 | 400g/2kg |
| 参考価格(税込) | 400g 1,650円前後/2kg 7,000円台〜(販売店によって差あり) |
| 保証成分値 | 粗タンパク質34%以上、粗脂肪9%以上、粗繊維10%以下、粗灰分12%以下、水分8%以下 |
| 炭水化物の目安 | 約27%(保証成分値からの概算・炭水化物源はタピオカと乾燥豆) |
| カロリー | 335kcal/100g |
| 適用 | 糖尿病、持続的な高血糖、肥満、体重過多、膵炎(妊娠・授乳期、成長期の幼猫には使わない) |
| 原産国 | イタリア(輸入元:株式会社エスジーラボ) |
- 穀物を使わないグレインフリー・グルテンフリーの療法食
- 水溶性・不溶性の食物繊維を調整して配合し、血糖値の上昇をおだやかにする設計
- 低リン設計で、腎臓の数値が気になる猫にも相談しやすい
- 取り扱い店舗が大手2社の療法食より少ない
- 販売店によって価格差が大きい
- 2026年5月に輸入元のドライフードが平均約4%値上げされた
ベッツソリューションは、イタリアのペットフードメーカー、モンジュの療法食ブランドです。猫用糖尿病サポートは、体重過多や高血糖の猫のために調合された高繊維タイプの食事療法食で、不溶性の繊維とゲル化作用のある水溶性の繊維を調整して配合することで、血糖値の上昇をおだやかにするよう設計されています。インドオオバコの殻(サイリウム)も配合されています。
炭水化物源はタピオカと乾燥豆で、穀物を使わないグレインフリーです。また、腎不全にも配慮した低リン設計になっているのも特徴です。高齢の猫では糖尿病と慢性腎臓病が同時に見つかることも珍しくないため、両方を気にかけながらフードを選びたいときに、獣医師に相談してみる価値があります。
ただし、腎臓病の進み具合によっては、腎臓病用の療法食を優先すべきケースもあります。併発している病気がある場合は、どちらの管理を優先するかも含めて、獣医師と相談しながら決めましょう。
療法食を食べないときに獣医師と相談して検討したい総合栄養食5選
療法食を出しても、どうしても食べてくれない猫もいます。食べない状態が続くと、低血糖や肝臓の病気(脂肪肝)などのリスクが高まるため、何も食べないよりは食べられるフードを優先する、という判断が必要になる場面もあります。ここでは、そうしたときに獣医師と相談したうえで検討したい総合栄養食を5つ紹介します。あくまで療法食の代わりではなく、獣医師の判断のもとでの選択肢として参考にしてください。
| 商品名 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物の目安 | カロリー(100gあたり) | 穀物 | 参考価格(税込) |
|---|---|---|---|---|---|---|
![]() 犬猫生活 キャットフード 全年齢用 |
31%以上 | 15%以上 | 約32% | 373kcal(国産の生鶏肉) | グレインフリー | 単品1.5kg 7,348円/定期初回980円 |
![]() カナガン キャットフード チキン |
34%以上 | 16.7%以上 | 約27% | 405kcal | グレインフリー | 1.5kg 6,000円台 |
![]() モグニャンキャットフード |
27%以上 | 11%以上 | 約42% | 379kcal | グレインフリー | 1.5kg 6,732円 |
![]() グランツ キャットフード チキン |
32%以上 | 15%以上 | 約28% | 358kcal | グレインフリー | 単品500g 2,500円/定期初回980円 |
![]() ジャガー キャットフード |
37%以上 | 14.88%以上 | 約25% | 387.5kcal | グレインフリー | 1.5kg 6,732円 |
※炭水化物の目安は保証分析値から計算したおおよその値です。参考価格は2026年10月時点の公式通販・公式ショップの価格です。
総合栄養食は療法食の代わりにはならない
最初にはっきりお伝えしておきたいのは、総合栄養食は糖尿病の療法食の代わりにはならないということです。総合栄養食は、そのフードと水だけで指定された成長段階の健康を維持できるよう栄養バランスを整えたフードで、健康な猫の毎日の食事を想定して作られています。糖尿病の食事管理に合わせて成分を調整した療法食とは、目的が根本的に違います。
ここで紹介する5つは、グレインフリーやたんぱく質の多さといった特徴がありますが、糖尿病の改善をうたうフードではありません。グレインフリーでも、じゃがいもやさつまいも、タピオカなどの炭水化物は含まれています。総合栄養食に切り替える場合は、炭水化物の量が療法食と変わるため、インスリン量の見直しや血糖値の確認が必要になることがあります。
療法食を食べないときは、まずは同じ目的の別の療法食(ドライからウェット、別メーカーなど)を試すのが先です。それでも難しい場合に、獣医師と相談しながら一時的な選択肢として総合栄養食を検討する、という順番で考えましょう。健康な猫向けのキャットフードを広く比較したい方は、市販から通販までのキャットフードおすすめランキングもあわせてご覧ください。
犬猫生活 キャットフード 全年齢用|国産素材のグレインフリーで原材料がわかりやすい

| 種類 | 全年齢向け 猫用総合栄養食(国産の生鶏肉/金沢港の朝獲れ魚の2種類) |
|---|---|
| 価格(税込) | 単品1.5kg(750g×2袋)7,348円/定期初回160g×2袋 980円(送料無料)/定期2回目以降1.5kg 5,808円 |
| 成分(国産の生鶏肉) | タンパク質31%以上、脂質15%以上、粗繊維3%以下、灰分9%以下、水分10%以下 |
| 炭水化物の目安 | 約32%(保証分析値からの概算) |
| カロリー | 国産の生鶏肉373kcal/100g、金沢港の朝獲れ魚360kcal/100g |
| 炭水化物源 | じゃがいも、さつまいも、タピオカ澱粉(穀物不使用のグレインフリー) |
| 原産国 | 日本 |
- 原材料と産地が細かく表示されていて、何を食べさせているかがわかりやすい
- 穀物を使わないグレインフリーで、保存料・香料・着色料不使用
- 定期初回は160g×2袋が980円で、少量から食いつきを試せる
- 療法食ではないため、糖尿病の食事管理には獣医師の判断が必要
- 炭水化物の目安は約32%で、低炭水化物の療法食より多い
- 定期便は解約の申し出がない限り自動で続く
犬猫生活のキャットフードは、生鶏肉や金沢港の朝獲れ魚など、国産を中心とした素材と産地を一つひとつ表示しているのが特徴の総合栄養食です。炭水化物源はじゃがいも・さつまいも・タピオカ澱粉で、穀物は使っていないグレインフリーです。乳酸菌やオリゴ糖も配合され、保存料・香料・着色料は使われていません。
国産の生鶏肉はタンパク質31%以上、カロリーは100gあたり373kcalです。炭水化物の目安は約32%と、療法食の低炭水化物タイプよりは多めなので、糖尿病の猫に与える場合は獣医師に成分表を見せて相談し、インスリン量の調整が必要かを確認してもらうようにしましょう。原材料がはっきりしているぶん、獣医師にも説明しやすいフードです。
定期便の初回は、国産の生鶏肉と金沢港の朝獲れ魚から好きな組み合わせで160g×2袋を選べます。療法食を食べない猫は好みがはっきりしていることも多いので、まずは少量で食いつきを確かめられるのは安心材料です。
カナガン キャットフード チキン|高たんぱくのグレインフリーで食いつきを重視したい猫に

| 種類 | 全猫種・全年齢対応の総合栄養食(ドライ) |
|---|---|
| 内容量・価格(税込) | 1.5kg 6,000円台(公式ショップの販売価格・定期購入で変動) |
| 成分 | タンパク質34%以上、脂質16.7%以上、粗繊維3.25%以下、灰分10.7%以下、水分8%以下 |
| 炭水化物の目安 | 約27%(保証分析値からの概算) |
| カロリー | 405kcal/100g |
| 主な原材料 | 乾燥チキン35.5%、チキン生肉25%、サツマイモ、ジャガイモ、チキンオイル、乾燥卵など |
| 原産国 | イギリス |
- チキンを60%以上使った高たんぱくのレシピ
- 小麦・トウモロコシ・米などの穀物を使わないグレインフリー
- チキンの香りが強く、食いつきを重視したいときに試しやすい
- 405kcal/100gとカロリーが高く、肥満の猫は量の管理が必要
- 脂質が16.7%以上と多め
- 療法食ではないため、糖尿病の管理には獣医師の判断が必要
カナガンのキャットフード チキンは、乾燥チキンとチキン生肉を合わせて60%以上使った、高たんぱくのグレインフリーキャットフードです。小麦・トウモロコシ・大麦・米などの穀物は使っておらず、炭水化物源はサツマイモとジャガイモです。炭水化物の目安は約27%で、総合栄養食の中では少なめの部類に入ります。
チキンの風味がしっかりしているため、療法食の味になじめない猫でも食べてくれることがあります。一方で、カロリーは100gあたり405kcalと高く、脂質も16.7%以上と多めです。太りぎみの糖尿病の猫に与える場合は、1日の量をきちんと計算しないと体重が増えやすい点に注意しましょう。
切り替えるときは、メーカーも少なくとも7日ほどかけて少しずつ混ぜる方法をすすめています。糖尿病の猫の場合は、切り替えの期間中も血糖値が変わりやすいので、獣医師と相談しながら進めてください。
モグニャンキャットフード|白身魚が主原料で魚好きの猫も食べやすい

| 種類 | 全猫種・全年齢対応の総合栄養食(ドライ) |
|---|---|
| 内容量・価格(税込) | 1.5kg 6,732円(楽天市場のレティシアン公式ショップの価格) |
| 成分 | タンパク質27%以上、脂質11%以上、粗繊維5.25%以下、灰分9.5%以下、水分5%以下 |
| 炭水化物の目安 | 約42%(保証分析値からの概算) |
| カロリー | 379kcal/100g |
| 主な原材料 | 白身魚65%、タピオカ、ジャガイモ、エンドウ豆タンパク、ビール酵母、サツマイモなど |
| 原産国 | イギリス |
- 白身魚を65%使っていて、魚好きの猫に試しやすい
- 脂質が11%以上と、今回の5つの中でもっとも控えめ
- 穀物を使わないグレインフリーで、オメガ3脂肪酸も配合
- 炭水化物の目安は約42%と、5つの中でもっとも多い
- たんぱく質は27%以上と、ほかの4つより少なめ
- 療法食ではないため、糖尿病の管理には獣医師の判断が必要
モグニャンは、白身魚を65%使った魚が主原料のグレインフリーキャットフードです。チキン系のフードを好まない猫や、魚の風味が好きな猫に試しやすいのが特徴です。脂質は11%以上と控えめで、カロリーも100gあたり379kcalです。
ただし、糖尿病の猫という視点で見ると注意点もあります。炭水化物源としてタピオカ・ジャガイモ・サツマイモ・エンドウ豆タンパクなどを使っており、保証分析値から計算した炭水化物の目安は約42%と、今回の5つの中でもっとも多くなります。グレインフリーだからといって低炭水化物とは限らない、わかりやすい例です。
魚好きで療法食をどうしても食べない猫の選択肢にはなりますが、与える場合は炭水化物が多めであることを獣医師に伝え、血糖値の変化をこまめに確認してもらいましょう。
グランツ キャットフード チキン|チキン主体で脂質とカロリーをおさえたい猫に

| 種類 | 全年齢用の総合栄養食(ドライ・1袋500gの小分けパック) |
|---|---|
| 価格(税込) | 単品500g 2,500円/定期初回980円(送料無料)/定期2回目以降500g×3袋 5,461円(送料込み) |
| 成分 | 粗タンパク質32%以上、脂質15%以上、粗繊維4.5%以下、粗灰分10%以下、水分10%以下 |
| 炭水化物の目安 | 約28%(保証分析値からの概算。メーカーは糖質26%以下と表示) |
| カロリー | 358kcal/100g |
| 主な原材料 | 脱水チキン27%、フレッシュチキン25%、チキンファット、チキンプロテイン、さつまいも、エンドウ豆、ひよこ豆など |
| 特徴 | グレインフリー、人工香料不使用、マグネシウムとカロリーを抑えめに設計 |
- 358kcal/100gと、今回の5つの中でもっともカロリーが低い
- 500gの小分けパックで、開封後の酸化を抑えやすい
- 定期初回980円で、少量から食いつきを試せる
- 単品で買うと500g 2,500円と割高になる
- 定期の2回目以降は3袋(味の組み合わせ)単位でのお届けが基本
- 療法食ではないため、糖尿病の管理には獣医師の判断が必要
グランツのチキンは、脱水チキンとフレッシュチキンを主原料にした、チキン主体のグレインフリーキャットフードです。メーカーは高たんぱく質・低糖質を打ち出しており、糖質は26%以下と表示されています。チキン味はマグネシウムとカロリーを抑えめにした設計で、カロリーは100gあたり358kcalと、今回の5つの中でもっとも低くなっています。
体重管理が大切な糖尿病の猫にとって、カロリーが低めなのは扱いやすいポイントです。1袋500gの小分けパックで、開けてから食べきるまでの期間が短く、風味が落ちにくいのも、食にこだわりのある猫にはうれしいところです。
ただし、療法食に比べると炭水化物は多めです。あくまで療法食を食べないときの選択肢として、獣医師と相談しながら与える量を決めましょう。
ジャガー キャットフード|肉の割合が高い高たんぱくレシピ

| 種類 | 全猫種・全年齢対応の総合栄養食(ドライ) |
|---|---|
| 内容量・価格(税込) | 1.5kg 6,732円(楽天市場のレティシアン公式ショップの価格) |
| 成分 | 粗タンパク質37%以上、脂質14.88%以上、粗繊維5.25%以下、粗灰分10.13%以下、水分8%以下 |
| 炭水化物の目安 | 約25%(保証分析値からの概算) |
| カロリー | 387.5kcal/100g |
| 主な原材料 | チキン生肉、乾燥チキン、乾燥鴨肉、チキンレバー、鴨生肉、生サーモン、生マス、ジャガイモ、エンドウ豆、サツマイモなど |
| 原産国 | イギリス |
- 動物性原材料が約80%と多く、たんぱく質37%以上と5つの中でもっとも高い
- 炭水化物の目安は約25%と、5つの中でもっとも少ない
- チキン・鴨・サーモン・マスと複数の動物性たんぱく源を使っている
- 387.5kcal/100gとカロリーは高め
- たんぱく源が多いぶん、食物アレルギーのある猫は原材料の確認が必要
- 療法食ではないため、糖尿病の管理には獣医師の判断が必要
ジャガーは、動物性原材料を約80%使い、でんぷん量を抑えた高たんぱくのキャットフードです。チキン・鴨・サーモン・マスの4種類の動物性たんぱく源を使っており、たんぱく質は37%以上と、今回紹介する総合栄養食の中でもっとも高くなっています。
炭水化物の目安も約25%と、5つの中ではもっとも少ない水準です。療法食をどうしても食べない猫で、獣医師から低炭水化物・高たんぱくの方向で選ぶよう助言された場合には、候補にしやすいフードといえます。ただし、カロリーは100gあたり387.5kcalと高めなので、量は必ず計って与えましょう。
穀物は使っていませんが、ジャガイモやエンドウ豆、サツマイモなどの炭水化物は含まれています。切り替えるときは、血糖値の変化を獣医師に確認してもらいながら進めてください。
糖尿病の猫のキャットフードの選び方
ここまで紹介した療法食や総合栄養食を、実際にどう選べばいいのかを整理します。どのフードがよいかは猫によって違うため、獣医師と相談するときに役立つ視点としてお読みください。
獣医師の方針に合わせて高たんぱく・低炭水化物か高繊維かを選ぶ
糖尿病の猫の療法食は、大きく分けて高たんぱく・低炭水化物タイプと、高繊維タイプの2つの考え方があります。今回の7選でいえば、ヒルズm/dやアニモンダの糖尿ケアは低炭水化物を重視したタイプ、ヒルズw/dやベッツソリューションは食物繊維を多くしたタイプ、ロイヤルカナンの糖コントロール アドバンストは高たんぱくに加えて繊維も多めにした、両方の要素をもつタイプです。
猫はもともと肉食の動物で、炭水化物の多い食事は食後の血糖値を上げやすいと考えられています。そのため、低炭水化物・高たんぱくの療法食が選ばれることが多い一方、肥満の猫では高繊維で満腹感を保ちながら減量を進める方法がとられることもあります。
どちらのタイプが合うかは、血糖値の動き方、体重や体型、便の状態、食いつきなどを総合的に見て獣医師が判断します。飼い主さんが自己判断でタイプを決めるのではなく、選ぶ理由を先生に聞いておくと、今後フードを変えるときにも迷いにくくなります。
ドライとウェットの違いと上手な組み合わせ方
ドライフードは、少ない量でカロリーをとりやすく、保存しやすく、費用も抑えやすいのがメリットです。一方のウェットフードは、水分が80%前後と多く、カロリーが低めで、炭水化物も少ないものが多いのが特徴です。糖尿病の猫は多飲多尿になりやすいため、ウェットで食事から水分をとれるのは大きな利点です。
ただし、ウェットはカロリーが低いぶん1日に必要な量が多くなり、ウェットだけで管理すると費用がかさみます。そこでおすすめなのが、同じシリーズのドライとウェットを組み合わせる方法です。ロイヤルカナンの糖コントロール アドバンストやアニモンダの糖尿ケアのように、ドライとウェットの両方がそろっているシリーズなら、栄養設計を大きく変えずに食感や水分量を調整できます。
組み合わせるときは、ドライとウェットのカロリーを合計して、1日の総カロリーが獣医師から指示された量に収まるようにしましょう。ウェットを足した分だけドライを減らすのが基本です。
肥満・痩せ・腎臓病など併発している病気に合わせる
糖尿病の猫は、肥満や慢性腎臓病、膵炎などをあわせもっていることがよくあります。併発している病気や体型によって、選ぶべき療法食は変わります。
たとえば太りぎみの猫なら、ロイヤルカナンの糖コントロール アドバンストやヒルズw/dのように、カロリーを抑えて体重を落としやすい療法食が候補になります。反対に、糖尿病で体重が落ちてしまった痩せぎみの猫では、カロリーを確保しやすいヒルズm/dのようなフードが選ばれることもあります。
腎臓の数値が気になる場合は、ベッツソリューションのように低リン設計のフードもありますが、腎臓病の進み具合によっては腎臓病用の療法食を優先すべき場合もあります。どの病気の管理を優先するかは、血液検査の結果を見ながら獣医師が判断するものなので、必ず相談して決めましょう。尿路の健康も気になる猫は、猫の下部尿路ケアキャットフードのランキングもあわせて参考にしてください。
グレインフリーでも炭水化物が少ないとは限らない
穀物を使わないグレインフリーのフードは、なんとなく糖尿病の猫によさそうに見えます。しかし、グレインフリーは穀物を使っていないという意味で、炭水化物が少ないという意味ではありません。多くのグレインフリーフードは、穀物の代わりにじゃがいも、さつまいも、タピオカ、豆類などを炭水化物源として使っています。
実際に、今回紹介した総合栄養食5つはすべてグレインフリーですが、保証分析値から計算した炭水化物の目安は、ジャガーの約25%からモグニャンの約42%まで大きな差があります。一方で、ロイヤルカナンの糖コントロール アドバンストのように穀物を使っていても、炭水化物を抑えて設計された療法食もあります。
フードを比べるときは、グレインフリーかどうかよりも、成分表示から炭水化物のおおよその量を確認することが大切です。わからないときは、パッケージや成分表を持って獣医師に相談すると確実です。グレインフリーフードそのものの選び方はグレインフリーキャットフードのおすすめ比較も参考にしてください。
糖尿病の猫に療法食を与えるメリット
療法食は一般的なキャットフードより高価ですが、糖尿病の猫にとっては大切な役割があります。ここでは、療法食を使うことで期待できる主なメリットを紹介します。いずれも、インスリン治療や定期的な診察と組み合わせることが前提です。
食後の血糖値の上がり方をおだやかにしやすい
糖尿病向けの療法食は、炭水化物を抑えたり、糖の吸収がゆるやかな原材料や食物繊維を使ったりすることで、食後の血糖値が急に上がりにくいように設計されています。食後の血糖値の上下の幅が小さくなると、インスリンによる血糖コントロールもしやすくなります。
一般的なキャットフードは炭水化物の量が製品によって大きく違い、同じ量を食べても血糖値の上がり方が変わることがあります。成分が安定した療法食を毎日同じ量だけ与えることで、血糖値の動きが読みやすくなり、インスリン量の調整もしやすくなります。
ただし、療法食を食べさせれば血糖値が必ず安定する、というわけではありません。猫の体調やストレス、ほかの病気によっても血糖値は変わるため、定期的な血糖値の測定と診察を続けることが大切です。
インスリン量の調整や寛解をめざしやすくなる
猫の糖尿病では、適切なインスリン治療と食事管理を続けることで、インスリン注射がいらなくなる寛解と呼ばれる状態に入る猫もいます。とくに、診断から早い段階で治療を始め、血糖値をしっかりコントロールできた猫で寛解が見られることがあるとされています。
療法食は、この寛解をめざすうえでも大切な役割を担います。食後の血糖値の上昇を抑え、肥満の猫では体重を落とすことで、インスリンの効きがよくなることがあるためです。
ただし、寛解はすべての猫に起こるわけではなく、寛解したあとに再発することもあります。療法食を使えば寛解できると考えるのではなく、獣医師の指導のもとで治療を続けた結果として目指すもの、ととらえておきましょう。
適正体重に近づけやすい
肥満は、猫の糖尿病の大きなリスク要因のひとつといわれています。体に脂肪が多いとインスリンが効きにくくなるため、太りぎみの猫では体重を適正に近づけることが血糖管理の助けになります。
糖尿病向けの療法食の多くは、カロリーや脂肪を抑えたり、食物繊維で満腹感を保ったりする設計になっており、空腹感を抑えながら体重を落としやすくなっています。高たんぱくの設計は、減量中に筋肉が落ちすぎないようにするうえでも役立ちます。
減量は急に進めると体調を崩すことがあるため、1か月にどれくらい体重を落とすかは獣医師と相談して決めましょう。家庭でも週に1回ほど体重を測り、変化を記録しておくと、診察のときに役立ちます。
糖尿病の猫に療法食を与えるデメリットと気をつけたいこと
療法食にはメリットがある一方で、気をつけておきたい点もあります。あらかじめ知っておくと、困ったときに慌てずに対応できます。
自己判断で始めたり切り替えたりできない
療法食は、通販サイトなどで手に入るものもありますが、獣医師の診断と指導のもとで使うことが前提のフードです。糖尿病の療法食は、ほかの病気をもつ猫や、成長期・妊娠中の猫には向かないものもあります。
また、前述のとおり、インスリン治療中の猫ではフードを変えるとインスリンの効き方が変わります。よかれと思って別の療法食に切り替えたり、療法食をやめて一般食に戻したりすると、低血糖や高血糖を起こすおそれがあります。
ネットで見た情報や口コミだけで判断せず、フードを始めるとき・変えるとき・やめるときは、必ず獣医師に相談しましょう。
好みに合わず食べてくれないことがある
療法食は栄養成分を調整しているぶん、それまで食べていたフードと味や香り、食感が違い、猫が食べてくれないことがあります。猫は食の好みがはっきりしている動物なので、急に切り替えると拒否されやすくなります。
食べないときは、まず少しずつ混ぜて慣らす、ドライからウェットに変えてみる、別のメーカーの療法食を試す、少し温めて香りを立たせるなどの方法があります。ドライとウェットの両方があるシリーズなら、栄養設計を変えずに食感だけ変えられます。
それでも丸1日以上ほとんど食べない場合は、低血糖や脂肪肝のリスクがあるため、すぐに獣医師に連絡してください。インスリン治療中の猫が食べないときは、自己判断でいつもの量を打たないことも大切です。
一般的なキャットフードより費用がかかる
療法食は、一般的なキャットフードよりも価格が高めです。今回紹介したドライの療法食は、2kgでおおむね6,000〜7,000円台が中心で、1kgあたり3,000円以上かかるものがほとんどです。さらに、インスリン代や血糖値の検査、定期的な診察の費用もかかります。
糖尿病の治療は長く続くことが多いため、毎月の食費を含めた治療費の見通しを立てておくことが大切です。次の章で、体重別の1か月の食費の目安と、費用をおさえるコツを紹介します。
療法食の費用は月いくら?体重別の目安と続けやすい買い方
糖尿病の猫の食事管理は長く続くことが多いので、毎月の費用を把握しておくと安心です。ここでは、体重別の食費の目安と、無理なく続けるための買い方を紹介します。
体重別に見た1か月の食費の目安
療法食の1か月の食費は、猫の体重と、ドライ中心かウェット中心かで大きく変わります。下の表は、カロリーが100gあたり330〜400kcalのドライ療法食(1kgあたり約3,200円)を目安に、避妊・去勢済みの室内猫を想定して計算したおおよその金額です。
| 体重 | 1日のカロリーの目安 | ドライの1日量の目安 | ドライのみの月額目安 | ウェット(85g)を1日1袋足した場合 |
|---|---|---|---|---|
| 3kg | 約160〜180kcal | 約40〜55g | 約4,000〜5,300円 | 約10,000〜12,000円 |
| 4kg | 約200〜230kcal | 約50〜70g | 約5,000〜6,700円 | 約11,000〜13,000円 |
| 5kg | 約240〜270kcal | 約60〜80g | 約5,800〜7,800円 | 約12,000〜14,000円 |
※1日のカロリーは目安です。実際に必要な量は、体型や活動量、減量中かどうかで変わるため、必ず獣医師の指示に従ってください。ウェットは1袋約260円で計算し、足した分だけドライを減らしています。
表のとおり、ドライ中心なら4kgの猫で月5,000〜6,700円ほどが目安です。一方、ウェットを1日1袋足すと月6,000〜7,000円ほど上乗せになり、ウェットだけで1日分をまかなうと、4kgの猫で月3万円以上かかることもあります。水分補給のためにウェットを取り入れたい場合は、ドライと組み合わせて費用とのバランスをとるのが現実的です。
動物病院・通販・ペットショップで買うときの違い
療法食は、主に動物病院、ネット通販、一部のペットショップやホームセンターで購入できます。動物病院で買うメリットは、獣医師が猫の状態を見て処方したものを確実に受け取れることです。体重の変化や血糖値に合わせて、その場でフードの変更を相談できるのも安心です。
ネット通販は、価格が比較的安く、定期購入でまとめて届けてもらえるのがメリットです。ただし、ロイヤルカナンの療法食のように、かかりつけの動物病院を登録しないと購入できない通販も増えています。また、療法食は保管状態も大切なので、正規の販売店から購入するようにしましょう。
ペットショップやホームセンターでも療法食を扱っていることがありますが、品ぞろえは店舗によってさまざまです。どこで買う場合も、獣医師から指示された商品名とサイズを間違えないよう、パッケージの写真やメモを持っていくと安心です。
費用をおさえて長く続けるコツ
療法食の費用をおさえるには、まず大きいサイズの袋を選ぶのが基本です。たとえばロイヤルカナンの糖コントロール アドバンストは、2kgより4kgのほうが1kgあたりの価格が安くなります。ただし、開封後は酸化が進むため、1か月ほどで食べきれるサイズを選び、開封後は袋の口をしっかり閉じて冷暗所で保管しましょう。
ネット通販の定期購入やポイント還元を活用するのも一つの方法です。ドライを中心にしてウェットはトッピング程度にする、おやつを減らしてその分の費用を療法食に回すといった工夫でも、毎月の負担は変わってきます。
一方で、費用を理由に自己判断で療法食をやめたり、安い一般食に切り替えたりするのは避けましょう。血糖値が乱れると、検査や治療の費用がかえって増えてしまうこともあります。費用面で続けるのが難しいときは、正直に獣医師に相談すると、ほかの選択肢を一緒に考えてもらえます。
糖尿病の猫の毎日の与え方とフードの切り替え方
療法食を選んだら、毎日の与え方も大切です。インスリン治療中の猫では、食事のタイミングと量が血糖コントロールに直結します。
1日2〜3回、決まった時間に決まった量を与える
糖尿病の猫の食事は、毎日できるだけ同じ時間に、同じ量を与えるのが基本です。食べる量やタイミングが日によって違うと、インスリンとのバランスが崩れ、血糖値が乱れやすくなります。
1日の量は、獣医師から指示されたカロリーをもとに決め、2〜3回に分けて与えます。ロイヤルカナンの療法食でも、1日の給与量を2〜3回に分けて与えるよう案内されています。量は計量カップではなく、キッチンスケールで重さを量るのがおすすめです。ドライは粒の形によってカップ1杯の重さが変わるため、目分量だと与えすぎになりやすいからです。
置き餌(いつでも食べられるようにお皿に出しておくこと)は、食べた量がわかりにくくなるため、インスリン治療中は避けたほうがよいとされています。ただし、少しずつしか食べない猫など、生活スタイルによっては獣医師が別の方法を指示することもあるので、家庭の事情も含めて相談しましょう。
インスリン注射と食事のタイミング
インスリン注射は、多くの場合食事を食べたのを確認してから打つよう指導されます。食べていない状態でいつもの量を打つと、血糖値が下がりすぎて低血糖を起こすおそれがあるためです。
一般的には、1日2回の食事に合わせて朝と夜にインスリンを打つ方法がとられますが、インスリンの種類や猫の状態によってタイミングは異なります。必ず獣医師から指示された時間と方法を守りましょう。
食事を半分しか食べなかった、吐いてしまったなど、いつもと違うことがあったときにインスリンをどうするかは、あらかじめ獣医師に確認しておくと安心です。迷ったときは自己判断で打たず、動物病院に連絡してください。
7日ほどかけて少しずつ切り替える
新しいフードに切り替えるときは、今のフードに新しいフードを少しずつ混ぜ、7日ほどかけて割合を増やしていくのが一般的です。たとえば、1〜2日目は新しいフード25%、3〜4日目は50%、5〜6日目は75%、7日目に100%というように進めます。
急に切り替えると、食べてくれなかったり、おなかがゆるくなったりすることがあります。とくに糖尿病の猫では、フードの炭水化物の量が変わることで血糖値も変わりやすいため、ゆっくり切り替えることが大切です。
切り替えの期間中は、食べた量、水を飲む量、おしっこの量、元気や体重の変化を記録しておきましょう。低炭水化物の療法食に変えた場合は、インスリンが効きすぎることもあるので、獣医師の指示に従って血糖値を確認してもらいながら進めてください。
食べないとき・低血糖のサインが出たときの対応
インスリン治療中の猫で特に注意したいのが低血糖です。ふらつき、元気がなくぼんやりしている、震える、けいれんを起こすといった様子が見られたら、低血糖のおそれがあります。重い低血糖は命に関わるため、すぐに動物病院に連絡してください。
低血糖が起きたときの応急処置(糖分の与え方など)は、猫の状態によって変わるため、インスリン治療を始めるときに獣医師に具体的な方法を聞いておくと安心です。意識がはっきりしない猫に無理に液体を飲ませると、誤って気管に入るおそれがあるので注意しましょう。
また、療法食を食べない、食欲が落ちたといった場合も、早めに獣医師に相談してください。猫は丸1日以上食べない状態が続くと、脂肪肝などの病気を起こしやすくなります。食べないからといって自己判断でインスリンを打つのをやめたり、量を変えたりせず、必ず指示を仰ぎましょう。
糖尿病の猫におやつはあげていい?
療法食を食べている猫でも、おやつをあげたいと考える飼い主さんは多いでしょう。おやつは猫とのコミュニケーションにもなりますが、糖尿病の猫では与え方に注意が必要です。
おやつを与えるなら獣医師と量を決めておく
糖尿病の猫におやつを与えること自体が絶対にだめ、というわけではありません。ただし、おやつのカロリーや炭水化物も血糖値に影響するため、与えるなら種類と量を獣医師と決めておくことが大切です。
おやつを与えた分は、1日の総カロリーに含めて考え、療法食の量を少し減らすなどの調整をします。環境省の飼い主のためのペットフード・ガイドラインでも、ペットフードの目的に合わせた与え方や日頃の体調管理の大切さが紹介されています。
どうしてもおやつをあげたい場合は、ふだん食べている療法食の粒を何粒か取り分けて、ごほうびとして手から与える方法もおすすめです。これなら栄養設計を崩さずに、コミュニケーションの時間も楽しめます。
ちゅーるなどのおやつを与えるときの注意点
ちゅーるのようなペースト状のおやつは、猫が大好きなことが多く、つい与えたくなります。しかし、多くのおやつは間食として作られていて、糖尿病の食事管理を前提にした設計ではありません。原材料に糖類や増粘多糖類などが含まれていることもあるため、パッケージの成分表示を確認しましょう。
与える場合は、1回の量を少なめにし、毎日決まったタイミングで与えるようにすると血糖値への影響を予測しやすくなります。インスリン注射の直前・直後に与えるかどうかも含めて、獣医師に相談しておくと安心です。
なお、薬を飲ませるときや、療法食のトッピングとして少量使うなど、目的をはっきりさせて使うのもひとつの方法です。いずれの場合も、1日の総カロリーの中で調整することを忘れないようにしましょう。
糖尿病の猫のキャットフードに関するよくある質問
最後に、糖尿病の猫のフードについてよく寄せられる疑問にお答えします。
市販のキャットフードだけで糖尿病は管理できる?
市販の総合栄養食は健康な猫のために作られたもので、糖尿病の食事療法を目的とした療法食の代わりにはなりません。低糖質やグレインフリーをうたうフードでも、糖尿病の管理に合わせて設計されているわけではないため、市販のフードだけで管理しようとするのは避けましょう。
療法食をどうしても食べない場合などに、獣医師の判断で総合栄養食を使うことはありますが、その場合もインスリン量の見直しや血糖値の確認が欠かせません。フード選びは必ず獣医師と相談して決めてください。
猫の糖尿病は治る?寛解とはどんな状態?
猫の糖尿病は、治療によってインスリン注射が必要なくなる寛解という状態になる猫がいます。寛解とは、インスリンを打たなくても血糖値が正常に近い範囲で保たれている状態のことです。
ただし、寛解は完治とは違い、食事管理をやめたり、太ったりすると再発することがあります。また、すべての猫が寛解するわけではありません。寛解したあとも、療法食の継続や定期的な血糖値のチェックが必要かどうかは、獣医師の指示に従いましょう。
ウェットフードだけで管理してもいい?
糖尿病向けの療法食のウェットだけで管理すること自体は可能で、水分をしっかりとれる、炭水化物が少ないといったメリットがあります。ただし、ウェットはカロリーが低いため1日に必要な量が多くなり、4kgの猫で月3万円以上かかることもあります。
費用や保存の手間を考えると、ドライとウェットを組み合わせるのが続けやすい方法です。ウェットだけにするか、組み合わせるかは、猫の好みや水を飲む量、腎臓の状態なども含めて獣医師と相談しましょう。
療法食は動物病院以外でも買える?
療法食は、動物病院のほか、ネット通販や一部のペットショップでも購入できます。ただし、療法食は獣医師の診断と指導のもとで使うことが前提のフードです。ロイヤルカナンの療法食のように、かかりつけの動物病院を登録しないと購入できない通販も増えています。
通販で買う場合でも、獣医師から指示された商品名・サイズを確認し、正規の販売店から購入しましょう。フードを変えたいときは、購入前に必ず獣医師に相談してください。
多頭飼いで療法食を盗み食いされないようにするには?
多頭飼いでは、糖尿病の猫がほかの猫のフードを食べてしまったり、ほかの猫が療法食を食べてしまったりすることがあります。食事は部屋を分ける、ケージの中で与える、食べ終わったらすぐにお皿を片付けるといった方法で、それぞれが自分のフードだけを食べられるようにしましょう。
マイクロチップや首輪のタグに反応して、登録した猫だけがふたを開けられる自動給餌器を使う方法もあります。置き餌をやめて、決まった時間に決まった量を与える習慣をつけることが、盗み食い対策の基本です。
糖尿病を予防したいときのキャットフードの選び方は?
猫の糖尿病のリスクを下げるうえで、もっとも大切なのは肥満を防ぎ、適正体重を保つことだといわれています。フード選びでは、年齢や体型に合った総合栄養食を選び、パッケージの給与量を目安に、体重を見ながら量を調整しましょう。
炭水化物の量が気になる場合は、成分表示からおおよその量を確認して比べるのもひとつの方法です。ただし、健康な猫に療法食を与える必要はありません。おやつの与えすぎに注意し、遊びで体を動かす時間をつくることも大切です。多飲多尿や体重の急な変化など、気になる様子があれば早めに動物病院を受診しましょう。
まとめ|糖尿病の猫のキャットフードは獣医師と相談して療法食から選ぼう
糖尿病の猫の食事は、獣医師が処方する療法食を中心に、インスリン治療とセットで管理するのが基本です。療法食には、ヒルズm/dやアニモンダの糖尿ケアのような低炭水化物・高たんぱくタイプ、ヒルズw/dやベッツソリューションのような高繊維タイプ、ロイヤルカナンの糖コントロール アドバンストのように両方の要素をもつタイプがあり、どれが合うかは猫の体型や血糖値の動き、併発している病気によって変わります。
フードを選ぶときは、炭水化物・たんぱく質・食物繊維の数値を比べつつ、ドライとウェットの組み合わせや毎月の費用も考えておくと、無理なく続けやすくなります。療法食をどうしても食べないときは、総合栄養食を自己判断で選ぶのではなく、獣医師と相談しながら一時的な選択肢として検討しましょう。
療法食は、フードだけで糖尿病を治すものではありません。毎日決まった時間に決まった量を与え、定期的に診察を受けながら、愛猫にとって一番よい食事をかかりつけの獣医師と一緒に見つけていきましょう。健康な猫向けのフード選びはシニア猫用キャットフードのおすすめ比較や、人の糖質管理が気になる飼い主さんには糖尿病の食事におすすめの宅食もご覧ください。